2013/06/16

ブッシュクラフト流、ヤニ台の自作

頼まれ物と、自分用のナイフ作るのに鏨を使った作業をする必要が出たので脂台作った。

脂台とは、松脂等に混ぜ物して用意した『ヤニ』を重いベースの上に盛り上げ、このヤニへワークを固定して彫り物等の作業をしやすくする道具。刀剣装飾や彫金・銀をやる人が良く使う道具です。

そしてこのヤニはある意味プリミティブホットグルーと呼べる物で、松脂をベースに油、トノ粉、煤や鉄粉などを混ぜて作ります。松脂はとても面白い材料で、混ぜる物の種類や量を変えることで、その硬さや、ねばつき具合を調節することができるのです。

松脂の準備。森から集めてきた松脂はこんな感じで不純物が大量に入っていますので、これを純松脂にする作業。


 加熱して溶かす。この時に焦がしたり、火が入らないように気おつけましょう!油に火が入るより危ないです。
写真中右上に写っているのは布切れ。これで松脂をろ過します。

融けた松脂を布へ包み、搾り出します。手早く行わないと固まってしまいます。手袋などをし、やけどから手を守りつつ、一気に作業します。
これにはまだ多くの松脂が含まれてますので、捨てずにとっておきます。

で、こちらが搾り出した松脂。綺麗な透き通った琥珀色です。


これを冷やして保存しておけば、糊、ワックス、塗料、充填材などを好きなときに必要量だけ使って作ることができます。

今回は脂台ですので、これを全て再加熱し、松脂:トノ粉=1:1の割合で混ぜ、サラダ油を少々加えました。

材料が混ざったところで、ピッチボールなどの台へ流し込み、後は冷えるのを待つだけ。
流し込み完了、盛り上がるようにアルミ箔で壁作ってあります。

冷えた状態、トノ粉だけですので茶色いです。

 ヒートガンで軽く暖め、ナイフを固定。早速トンボマークを彫ってみました。が・・・トノ粉がまだ少なかった様で柔らかすぎます。たたいている内にナイフ全体が沈んでしまいましたw。この問題はトノ粉を追加することで解決!現在は調子良く使ってます。


そして松脂の搾りかすはアルコール漬け。残っていた脂が溶け出して美味しそうな感じになりました。勿論飲めませんが。
これは単純な自家製バルサム、木とレザーに塗ってテストしてみましたが、良さそうな感じです。自分用に作っている一本はこれで仕上げてみようと思います。





0 件のコメント:

コメントを投稿